【犬の鼻水】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
【犬の鼻水】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の鼻水とは？
犬の鼻水は、鼻の粘膜が炎症を起こしたり、鼻の通り道に異常があるときに出る症状です。 透明・白・黄色・緑など、色によって原因が異なるため、 「どんな鼻水か」も診断の重要な手がかりになります。
特に小型犬や短頭種（フレンチブルドッグ、パグ、シーズー）は 鼻の構造的問題から鼻水が出やすい傾向があります。
放置すると、慢性鼻炎・副鼻腔炎・肺炎・気管支炎などに進行することもあるため、 正しい診断と早めの治療が大切です。
主な症状
- 透明な鼻水（さらさら）
- 白い鼻水（ネバつく）
- 黄色・緑色の鼻水（細菌感染）
- くしゃみが多い
- 鼻がつまって呼吸が苦しそう
- 鼻を擦る・前脚でこする
- いびき・ガーガー音が増える
- 片側だけの鼻水（要注意）
片側の鼻水は腫瘍・異物・重度炎症の可能性があり要注意です。
犬の鼻水の原因
● ① ウイルス・細菌感染（犬風邪）
透明 → 白っぽい → 黄色・緑と変化し、悪化すると咳や発熱も出ます。
● ② アレルギー（花粉・ハウスダスト）
季節性または通年性で、透明の鼻水・くしゃみが特徴。
● ③ 慢性鼻炎
子犬の頃の感染症やアレルギーの慢性化で続くことがあります。 鼻詰まり・いびきの原因にもなります。
● ④ 副鼻腔炎
サラサラ鼻水から粘稠鼻汁へ悪化しやすいです。 治療には長期管理が必要な場合もあります。
● ⑤ 異物（草・ゴミなど）
片側だけの鼻水・鼻血・くしゃみが続く場合、異物の可能性があります。 内視鏡が必要なケースも。
● ⑥ 鼻腔内の腫瘍
特にシニア犬で、 片側の鼻水・鼻血・くしゃみ・顔の腫れなどが出ることがあります。
● ⑦ 歯のトラブル（上顎の歯）
歯根が鼻腔とつながって鼻水の原因になることがあります。
● ⑧ 短頭種の構造的問題
鼻道が狭く、炎症や分泌物が溜まりやすい傾向があります。
動物病院に行くべき目安
以下の症状があれば早めの受診がおすすめです。
- 1週間以上鼻水が続く
- 黄色・緑の鼻水
- 片側だけの鼻水
- くしゃみが止まらない
- 鼻血が混じる
- 呼吸が苦しそう
- 食欲が落ちている
鼻血＋片側だけの鼻水は緊急性が高いことがあります。
犬の鼻水の治療法
● ① 感染症（ウイルス・細菌）
- 抗生剤
- 抗炎症薬
- ネブライザー治療
● ② アレルギー性鼻炎
- アレルギー薬
- 食事療法
- 環境改善（花粉・ホコリ対策）
● ③ 慢性鼻炎・副鼻腔炎
- 薬の継続治療
- ネブライザー（吸入）
- 必要に応じて内視鏡検査
● ④ 異物除去
麻酔下で内視鏡を使用することがあります。
● ⑤ 腫瘍の治療
腫瘍の種類に応じて治療法が変わります。
● ⑥ 中医学（鍼灸・漢方）
慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎には、 体質改善として漢方や鍼灸が有効なケースがあります。 呼吸を整え、鼻の炎症を軽減し、体の抵抗力を高めるサポートとなります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 鼻水の原因を正確に診断（レントゲン・内科／アレルギー検査）
- ネブライザー治療に対応
- 慢性鼻炎・アレルギーの長期管理が可能
- 必要に応じて外科的治療も検討
- 体質改善・漢方治療を組み合わせた統合医療に対応
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 4歳・ミニチュアダックス（透明の鼻水）
アレルギー性鼻炎と診断。内服＋環境改善で改善。
▶ 10歳・シーズー（黄色い鼻水・くしゃみ）
細菌性副鼻腔炎。抗生剤とネブライザーで症状改善。
▶ 12歳・大型犬（片側だけの鼻水・鼻血）
腫瘍の疑いで精密検査を実施し治療へ移行。
ご自宅でできる対処法
- 部屋の加湿（40〜60%）
- 空気清浄機の使用
- ホコリや花粉を減らす環境づくり
- こまめな顔まわりのケア
- 散歩後は鼻周りを軽く拭く
- 飲水量を増やす工夫
※人用の鼻炎スプレーは絶対に使用してはいけません。
予防
- アレルギー管理
- ワクチンで感染症予防
- 定期的な鼻・喉のチェック
- 清潔な室内環境
よくある質問
Q. 透明な鼻水は問題ない？
A. アレルギーや軽い炎症の場合があります。続く場合は要診察。
Q. 黄色い鼻水は？
A. 細菌感染が疑われます。治療が必要です。
Q. 片側の鼻水は？
A. 異物・腫瘍・重度炎症の可能性があります。
Q. 風邪のように自然に治る？
A. 原因によっては悪化するため、長引く場合は診察をおすすめします。
まとめ
犬の鼻水は軽い症状に見えても、 感染症・アレルギー・副鼻腔炎・異物・腫瘍など さまざまな原因が隠れていることがあります。
1週間以上続く鼻水、黄色・緑の鼻汁、片側だけの鼻水は特に注意が必要です。 早めの診断と適切な治療が、ワンちゃんの快適な呼吸と健康を守ります。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の鼻水・鼻炎治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
