【犬の目が白い】考えられる病気・危険なサイン・治療法を獣医師がわかりやすく解説｜越谷どうぶつ病院
【犬の目が白い】考えられる病気・危険なサイン・治療法を獣医師がわかりやすく解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の「目が白い」とは？
犬の目が白く濁って見える状態は、「白濁（はくだく）」と呼ばれます。 白く見える原因は複数あり、白内障・核硬化症・角膜の病気などが代表的です。
白濁は年齢による変化で問題ない場合もありますが、 失明につながる重い病気のサインであることも。 進行すると視力低下・痛みが出るため、早期受診がとても重要です。
主な症状
- 黒目が白く濁って見える
- 目が青白く光る
- 視力が落ちて物にぶつかる
- まぶしがる
- 涙・目やにが増える
- 目を細める・痛がる
- 片目だけ白い、両目とも白い
視界の変化や痛みのサインがある時は緊急性が高まります。
犬の目が白くなる原因
● ① 白内障（最も多い）
水晶体（レンズ）が白く濁る病気。 シニア犬に多いですが、若い犬でも遺伝・糖尿病で発症します。 進行すると視力が失われる可能性があります。
● ② 核硬化症（年齢性変化）
加齢で水晶体が青白くなる現象で、多くは正常です。 白内障と見た目が似ていますが、視力は保たれていることが多いです。
● ③ 角膜炎・角膜潰瘍（緊急）
角膜が傷ついたり炎症を起こすと白く見えます。 目を痛がる・しょぼつく・涙が増えるなどの症状が特徴。 放置すると失明につながるため早期治療が必要です。
● ④ 緑内障（緊急）
眼圧が急上昇し、角膜が白く濁って見えることがあります。 数時間単位で視力が失われる緊急病態。
● ⑤ ぶどう膜炎
目の奥が炎症を起こす病気。白濁・痛み・視力低下を伴います。
● ⑥ 脂質沈着（角膜ジストロフィー）
角膜に脂肪が沈着し白く見える状態。痛みはありませんが検査が必要です。
● ⑦ 糖尿病による白内障
糖尿病を持つ犬は急速に白内障が進行することがあります。 視力喪失まで早いため注意が必要です。
動物病院に行くべき目安
- 目が急に白くなった
- 痛み・しょぼつきがある
- 視力が落ちている
- 涙・目やにが増えた
- 片目だけ白くなっている
- 黒目の表面がザラザラして見える
- 光に敏感になっている
痛み＋白濁は緊急性が高いためすぐ受診してください。
治療法
● ① 白内障の治療
- 点眼治療（進行抑制）
- 白内障手術（視力回復）
● ② 核硬化症
加齢性変化のため治療の必要はありませんが、 白内障との鑑別が重要です。
● ③ 角膜炎・角膜潰瘍
- 抗生剤点眼
- 角膜保護点眼
- 重症の場合は外科治療
● ④ 緑内障
緊急の眼圧降下治療が必要です。
● ⑤ ぶどう膜炎
炎症を抑える治療を行い、原因疾患も調べます。
● ⑥ 糖尿病管理
血糖値コントロールにより白内障の進行を遅らせます。
● ⑦ 中医学（漢方・鍼灸）
慢性炎症・高齢犬の眼のトラブルに対して、 体質改善として漢方が役立つケースもあります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 眼科検査（眼圧・涙量・染色検査）の実施
- 白内障と核硬化症の鑑別が可能
- 緊急疾患（角膜潰瘍・緑内障）に迅速対応
- 糖尿病管理を含む内科治療も実施
- 漢方による体質改善治療も提供
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 12歳・トイプードル（白内障）
点眼治療で進行を抑えつつ、状態を見ながら管理中。
▶ 6歳・マルチーズ（角膜潰瘍）
早期発見により数日で改善。痛みが強く緊急治療を実施。
▶ 8歳・柴犬（核硬化症）
加齢による変化で治療は不要。定期チェックを継続しています。
ご自宅でできる対処法
- 目の周りを清潔に保つ
- 刺激物を避ける
- 涙やけのケアを継続する
- 部屋の乾燥を防ぐ
- 高齢犬は定期的に眼科チェック
※痛みや急な白濁がある場合は自宅ケアは禁物です。
予防
- 定期的な健康診断
- 眼科検査の習慣化
- 生活環境を清潔に保つ
- 糖尿病予防（適正体重の維持）
- 目に優しい生活環境（風・埃を避ける）
よくある質問
Q. 白内障と核硬化症の違いは？
A. 見た目は似ていますが、白内障は視力低下を起こし、核硬化症は視力が保たれることが多いです。
Q. 片目だけ白いのは大丈夫？
A. 緑内障や角膜疾患の可能性があるため早期診察をおすすめします。
Q. 自然に治りますか？
A. 原因によりますが、自然治癒することはほとんどありません。
まとめ
犬の目が白くなる症状は、白内障、角膜疾患、緑内障、加齢変化など 原因がさまざまで緊急性が高い場合もあります。
痛み・白濁の急激な変化・視力の低下が見られる場合は すぐに受診してください。 早期の治療で視力を守ることができます。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の目が白い・白濁の治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
