【犬のしこり】危険な腫瘤の見分け方・原因・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院 目次
【犬のしこり】危険な腫瘤の見分け方・原因・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の「しこり」とは？
犬の体にできるしこり（腫瘤）は、皮膚の表面や皮下、内臓などさまざまな場所に発生する可能性があります。 しこりの中には良性のものもありますが、 悪性腫瘍（がん）である場合もあり、外見だけで判断することは困難です。
特に高齢の犬では腫瘍の発生が増えるため、早期発見・早期検査が非常に重要です。 小さなしこりでも放置すると大きくなったり転移する可能性があります。
主な症状
しこり自体の性状により症状が異なります。
- 皮膚の下にコロコロした塊を触れる
- 急に大きくなるしこり
- 硬いしこり・不整形のしこり
- 柔らかくプニプニした脂肪のような塊
- 赤く腫れている・痒がる
- 出血・分泌物が出る
- 痛みがある
- 歩行に支障が出る（足の場合）
- 食欲低下・元気消失（内臓腫瘍）
形・硬さ・場所・大きさ・成長速度は腫瘍を見極める重要な情報になります。
犬のしこりの原因
● ① 良性腫瘍
- 脂肪腫（最も多い）
- 皮膚組織球腫
- 乳腺腫瘍の良性型
- 肛門周囲腺腫
● ② 悪性腫瘍（がん）
- 肥満細胞腫
- 悪性黒色腫
- 乳腺がん
- 軟部組織肉腫
- リンパ腫
悪性腫瘍は早期治療が命を守る鍵となります。
● ③ 炎症・感染
- 膿瘍（細菌感染）
- 皮膚炎
- 異物（トゲ・毛玉）
● ④ 内臓疾患に伴う腫れ
リンパ節の腫れ（感染症や腫瘍）も、外から「しこり」に触れることがあります。
動物病院に行くべき目安
- しこりが1cm以上になった
- 急に大きくなってきた
- 赤い・固い・形がいびつ
- しこりの周りが熱い・痛がる
- 出血・膿が出ている
- しこりが複数できた
- 6歳以上で新しくしこりができた
しこりは早期検査が最重要。
命に関わる腫瘍かどうかは細胞診・検査をしなければ判断できません。
治療法
● ① 細胞診（針で細胞をとる検査）
最初に行う基本の検査。 数分で結果が出ることが多く、痛みもわずかです。
● ② 外科手術
悪性腫瘍・再発性腫瘍はできるだけ早めの外科切除が推奨されます。
● ③ 内科治療（悪性腫瘍の場合）
- 抗がん剤治療
- 分子標的薬
- ステロイド治療（肥満細胞腫など）
● ④ 炎症性のしこりの場合
抗生剤・抗炎症薬・洗浄などで治療します。
● ⑤ 中医学（漢方・鍼灸）
慢性炎症・免疫バランスの乱れ・腫瘍の進行抑制を目的に、 体質改善として漢方の併用を行うケースもあります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 細胞診による迅速な鑑別診断が可能
- 超音波検査で内部の状態を詳細に確認
- 悪性腫瘍の早期発見に注力
- 必要に応じて外科手術に対応
- 漢方を併用した体質改善治療も提供
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 9歳・ラブラドール（肩に大きなしこり）
脂肪腫と診断。摘出手術し再発なし。
▶ 7歳・柴犬（脇腹の硬いしこり）
肥満細胞腫と診断。切除手術で完治。
▶ 12歳・トイプードル（乳腺のしこり）
乳腺腫瘍。精密検査後に手術を実施。
ご自宅でできる対処法
- しこりの大きさを写真・メモで記録する
- しこりを押したり潰したりしない
- 赤みや出血があれば早めに受診
- 毛を短くして観察しやすくする
※自宅で治すことはできません。必ず検査が必要です。
予防
- 定期健診で早期発見
- 避妊・去勢で発生率が下がる腫瘍もある
- 肥満予防
- 皮膚ケアの習慣化
よくある質問
Q. しこりは自然に治りますか？
A. 腫瘍の場合は自然治癒しません。必ず検査が必要です。
Q. しこりが良性か悪性か、見た目で判断できますか？
A. できません。細胞診が必須です。
Q. 小さいしこりは様子見でいい？
A. 小さくても悪性のことがあり、早期発見が命を守ります。
Q. 高齢の犬でも手術できますか？
A. 血液検査で安全性を確認し、多くのケースで実施可能です。
まとめ
犬のしこりは良性から悪性まで多岐にわたり、見た目や触り心地だけでは判断できません。 特に急に大きくなる・硬い・赤みがある場合は注意が必要です。
しこりは早期発見・早期検査が命を守る鍵となります。 針で細胞をとるだけの簡単な検査で診断できることが多いため、迷わずご相談ください。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬のしこり・腫瘤の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
