【犬の水頭症】子犬の「ぼーっとしている」「頭が大きい」は要注意。早期発見したい脳の病気|越谷どうぶつ病院
【犬の水頭症】子犬の「ぼーっとしている」「頭が大きい」は要注意。早期発見したい脳の病気|越谷どうぶつ病院
目次
犬の水頭症とは?
水頭症(すいとうしょう)とは、脳の中を流れている脳脊髄液(のうせきずいえき)が異常に増え、 脳室と呼ばれる部分が拡張して脳が圧迫されてしまう病気です。
特にトイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、マルチーズなどの小型犬で多く見られ、 多くは子犬〜若齢のうちに症状が現れます。
軽度の水頭症では無症状で経過することもありますが、 中等度〜重度ではてんかん発作、ふらつき、視力障害、性格の変化などさまざまな神経症状が出ることがあります。
主な症状
犬の水頭症では、以下のような症状がみられることがあります。 すべてが当てはまるわけではありませんが、いくつかが組み合わさって見られることが多いです。
● 行動・性格の変化
- ぼーっとしている時間が長い
- 呼んでも反応が鈍い
- 同じ場所をぐるぐる回る
- 壁や家具に頭を押しつけるような行動
● 外見上の特徴
- 頭が丸くドーム状に大きい(りんご頭)
- 頭頂部に「ペコ(泉門)」が開いている
- 鼻先が短い小型犬で目立つことが多い
● 神経症状
- てんかん発作(けいれん)
- ふらつき、よろける
- 視力が弱い/見えていないように見える
- 片側に傾いて歩く
- 後ろ足のふらつき
「子犬だからまだぼんやりしているのかな?」と見過ごされることもありますが、 行動の違和感が続く場合は、一度ご相談いただくことをおすすめします。
原因
犬の水頭症には大きく分けて先天性(生まれつき)と後天性(あとから)があります。
● ① 先天性水頭症
- 脳や頭蓋骨の発達異常
- 脳脊髄液の流れ・吸収の異常
- 犬種に関連した体質(小型犬で多い)
多くは子犬〜若齢で症状が現れます。
● ② 後天性水頭症
- 脳腫瘍
- 脳炎・髄膜炎
- 頭部外傷
- 脳出血 など
もともと正常だった脳に何らかの異常が起こり、その結果として脳脊髄液が溜まりやすくなるタイプです。
動物病院に行くべき目安
次のような様子がみられたら、一度受診していただくことをおすすめします。
- 子犬の頃からぼーっとしていることが多い
- 頭が大きく、泉門(ペコ)が開いている
- 歩き方がふらふらしている
- 視力が悪そう(物や人にぶつかる、自信なさげに歩く)
- けいれん発作を起こした
- 同じ場所をぐるぐる回る行動が多い
水頭症かどうかを確定するには、画像検査(CT・MRI)が必要となることが多いですが、 まずは一般身体検査・神経学的検査・血液検査などで、全身状態や他の病気の有無をチェックします。
治療法
犬の水頭症の治療は、症状の重さ・原因・年齢などによって変わります。
● ① 内科治療(お薬によるコントロール)
軽度〜中等度の水頭症、または手術が難しい場合に選択される治療です。 目的は、脳脊髄液の産生を減らす・脳圧を下げる・発作を抑えることです。
- 脳脊髄液の産生を抑える薬
- ステロイド(脳の炎症や浮腫を抑える)
- てんかん発作に対する抗てんかん薬
内科治療だけで「完全に治る」というよりは、症状をできるだけ軽くし、生活の質を保つことが目標となります。
● ② 外科治療(シャント手術)
重度の水頭症では、専門施設で脳室腹腔シャント術という手術が行われることがあります。 これは、脳室に溜まった脳脊髄液をチューブでお腹側に流す手術で、 脳圧を下げて脳へのダメージを抑えることを目的としています。
手術には麻酔や合併症のリスクもあるため、年齢・症状・全身状態・ご家族のご意向を踏まえて慎重に検討する必要があります。
● ③ 併発症への対処
- てんかん発作:抗てんかん薬でコントロール
- 行動異常:生活環境の調整・安全対策
- 視力障害:段差や障害物に配慮した生活空間づくり
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 子犬期からの「なんとなく気になる行動」の相談に対応
- 問診・身体検査・神経学的検査を丁寧に行い、全体像を把握
- 必要に応じて、CT・MRIが可能な二次診療施設をご紹介
- 内科治療(お薬)でのコントロールや、てんかん発作の管理に対応
- ご家族のお話を伺いながら、その子に合わせた生活ケアを一緒に考える
水頭症のワンちゃんは、「どこまで治療するか」「どう暮らしていくか」を一緒に考えていくことがとても大切です。 ご不安な点は、どんな小さなことでも遠慮なくご相談ください。
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 5ヶ月・チワワ
「頭が大きく、ぼーっとしていることが多い」「時々ふらつく」との主訴で来院。 身体検査で泉門開存が確認され、水頭症が疑われました。 専門施設でのMRI検査にて水頭症と診断され、内科治療と生活環境の調整で経過観察中です。
▶ 1歳・トイプードル
てんかん様発作で来院し、問診と神経学的検査から水頭症の可能性が考えられました。 二次診療施設での精査を行い、内科的治療+抗てんかん薬で発作頻度のコントロールを行っています。
ご自宅でできる対処法
- 段差や障害物を減らし、ぶつかりにくい環境づくり
- 発作時に危険な場所(階段・高いソファなど)に近づけない工夫
- 過度な興奮やストレスを避け、穏やかに過ごせる環境づくり
- お薬は獣医師の指示通りに継続して飲ませる
- 発作の様子や頻度をメモ・動画で記録しておく
水頭症のワンちゃんの多くは、上手に環境を整えることで、安全で快適な生活を送ることができます。 「どんな工夫をしたらいいかわからない」という場合も、お気軽にご相談ください。
予防
先天性の犬の水頭症は、完全に予防することが難しい病気です。 ただし、以下の点に気をつけることで、早期発見や悪化防止につながります。
- 子犬の頃から、行動・歩き方・反応の様子をよく観察する
- 異常な行動や発作があれば、早めに動物病院で相談する
- 頭部を強くぶつけるような事故を防ぐ(落下・転落など)
よくある質問
Q. 犬の水頭症は治りますか?
A. 先天性の水頭症では、完全に「治す」というより、症状をコントロールしながら生活していくことが多いです。 外科手術が適応になるケースもありますが、すべての子に行えるわけではありません。
Q. てんかん発作があれば、水頭症なのでしょうか?
A. 必ずしもそうとは限りません。てんかん発作の原因は、水頭症以外にも多数あります。 発作があった場合は、まずは検査で原因を探っていくことが大切です。
Q. 子犬の頭が大きくて心配です。すぐ検査が必要ですか?
A. 頭の形だけで水頭症と断定することはできませんが、行動・視力・ふらつきの有無を含めてチェックする価値はあります。 気になる場合は、一度診察を受けていただくと安心です。
Q. 水頭症でも、普通の生活は送れますか?
A. 症状の程度によりますが、環境調整と内科治療により、穏やかに生活している子もたくさんいます。 「どこまで何ができるか」を一緒に考えていきましょう。
まとめ
犬の水頭症は、小型犬の子犬〜若い時期に見られることが多い脳の病気です。 「ぼーっとしている」「頭が大きい」「ふらつきがある」「発作が出た」などのサインは、 単なる性格や年齢のせいではなく、水頭症を含む神経疾患の可能性もあります。
早期発見・早期の治療と環境調整によって、 その子らしい生活をできるだけ長く続けていけるようサポートすることが可能です。
気になる症状があれば、どうぞ一度ご相談ください。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の水頭症の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡






