【犬の脂肪腫(脂肪種)】「ただのデキモノだから大丈夫?」と思う前に知っておきたいこと|越谷どうぶつ病院
【犬の脂肪腫(脂肪種)】「ただのデキモノだから大丈夫?」と思う前に知っておきたいこと|越谷どうぶつ病院
目次
犬の脂肪腫(脂肪種)とは?
脂肪腫(しぼうしゅ)とは、皮膚の下にできる脂肪のかたまり(良性の腫瘍)です。 一般的には「脂肪種」と呼ばれることも多く、中高齢のワンちゃんでよくみられます。
やわらかく、コリコリとしたしこりとして触れることが多く、多くは良性で転移しない腫瘍です。 ただし、まれに悪性の脂肪肉腫や、別の腫瘍と見分けがつきにくい場合もあり、 「見た目だけでは判断できない」のがポイントです。
脂肪腫(脂肪種)は、
- 首まわり
- 脇の下
- 胸やお腹
- 太ももや肩などの四肢
など、体のさまざまな場所にできます。
主な症状・見た目の特徴
脂肪腫(脂肪種)そのものは、無症状であることがほとんどです。見た目・触った感じとしては次のような特徴があります。
● 触ったときの特徴
- やわらかく、ぷにぷに・コリコリとしたしこり
- 皮膚の下で少し動く感じがある(可動性がある)
- 大きさは数ミリ〜数センチ以上まで様々
- 押してもあまり痛がらない
● 見た目の特徴
- 皮膚の色は周囲とほぼ変わらないことが多い
- 表面はなめらかで、赤みや潰瘍は通常みられない
- 「なんとなく体がポコポコしてきた」と気づくことが多い
● 症状が出るケース
大きさ・できる場所によっては、症状が出ることもあります。
- 脇の下や内股にできて、歩きにくそう・擦れて痛そう
- 首や肩に大きくできて、ハーネスや首輪が当たって気にする
- まれに筋肉の間や深い場所にできて、歩き方の変化・痛みが出ることも
「しこり=がん」とは限りませんが、「良性か悪性かは見た目では判断できない」ため、 気づいた時点で一度ご相談いただくのがおすすめです。
原因
犬の脂肪腫(脂肪種)のはっきりした原因は、まだ完全にはわかっていませんが、 次のような要因が関係していると考えられています。
● ① 年齢
中高齢のワンちゃんで発生が多く、加齢に伴う体質変化が関係していると考えられます。
● ② 体質・遺伝
ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーなど、一部の犬種では脂肪腫ができやすい傾向があります。
● ③ 肥満
脂肪組織が多いワンちゃんでは、脂肪腫ができやすいといわれています。 ただし、痩せていても脂肪腫ができる子もおり、肥満が直接の原因とは限りません。
動物病院に行くべき目安
次のような場合には、一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。
- 新しくしこり(できもの)を見つけたとき
- 短期間でしこりが大きくなってきたとき
- 硬くてゴツゴツしたしこりのとき
- 表面が赤くただれている・出血しているとき
- しこりを触ると痛がるとき
- しこりが歩行や日常生活の邪魔になっているとき
脂肪腫(脂肪種)は良性のことが多いですが、悪性腫瘍との区別が重要です。 当院では、細胞診(しこりに針を刺して細胞を調べる検査)などを行い、 できるだけその場で良性・悪性の判断の目安をお伝えするようにしています。
治療法
犬の脂肪腫(脂肪種)の治療は、「経過観察」か「外科的切除(手術)」が基本となります。
● ① 経過観察
小さくて、場所的にも問題がなく、細胞診などで良性と考えられる脂肪腫の場合、 無理に手術をせず、定期的な経過観察を選択することが多いです。
- サイズの変化
- 硬さの変化
- 数の増減
を定期的にチェックし、変化があれば再度検査・治療方針を検討します。
● ② 外科的切除(手術)
次のような場合は、手術による切除を検討します。
- 急に大きくなってきた
- 歩行や動作の妨げになっている
- 擦れて炎症を起こしやすい場所にある
- 細胞診で悪性の可能性が否定できない
- ご家族が「取っておきたい」と希望される場合
手術で切除したしこりは、必要に応じて病理検査に出し、 本当に脂肪腫(良性)であるか、他の腫瘍ではないかを確認します。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- しこりを見つけたその日に、可能な限りその場で細胞診を実施
- 脂肪腫(脂肪種)かどうかの目安を、画像やスケッチを使ってわかりやすくご説明
- 高齢犬・持病のある子の麻酔リスクも含めて、手術の必要性を丁寧に相談
- 「必ず取る」ではなく、「取る/様子を見る」の両方の選択肢を検討
- 漢方や体質改善のご相談にも対応(体全体のケアを重視)
「このしこり、本当に大丈夫かな?」と不安を抱えたまま過ごすよりも、 一度検査をして「安心を買う」ことも、とても大切だと考えています。
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 10歳・ラブラドールレトリバー
数年前から体にいくつかしこりがあり、最近胸のしこりが大きくなってきたとのことで来院。 細胞診にて脂肪腫(脂肪種)と考えられましたが、歩行時に擦れて気にするため全身麻酔下で切除。 病理検査でも良性脂肪腫であることが確認され、その後は快適に過ごしています。
▶ 12歳・シニア小型犬
高齢で心臓病があり、麻酔リスクが心配なため、 複数の小さなしこりに対しては細胞診+経過観察を選択。 定期的な健康診断とともにサイズ・硬さをチェックし、 無理のない治療方針で見守っています。
ご自宅でできる対処法
- 月に一度、体全体の「しこりチェック」をする
- しこりの位置・大きさをメモや写真で記録しておく
- 急に大きくなっていないか、硬くなっていないかを定期的に確認
- しこりをむやみに揉んだり、針で刺したりしない
- カラーやハーネス・服が直接擦れていないかチェック
「前からあるしこりだから大丈夫」と決めつけず、変化に気づくことがとても大切です。
予防
脂肪腫(脂肪種)そのものを完全に防ぐ方法はありませんが、 次のような点に気をつけることで、早期発見・全身の健康管理に役立ちます。
- 適正体重の維持(肥満予防)
- 年1〜2回の健康診断(シニア犬は特におすすめ)
- 日頃から体を触る習慣をつける
- 新しいしこりや急な変化にすぐ気づけるようにしておく
よくある質問
Q. 犬の脂肪種(脂肪腫)は必ず手術しなければいけませんか?
A. いいえ、必ずしも手術が必要というわけではありません。 小さくて問題にならない場所にあり、良性と判断される場合は経過観察を選択することも多いです。
Q. 「脂肪種」と言われました。がんではないのですか?
A. 一般的に「脂肪種」と呼ばれているものの多くは良性の脂肪腫です。 ただし、脂肪肉腫などの悪性腫瘍との鑑別のために、細胞診や病理検査で確認することがあります。
Q. しこりを触ると大きくなりますか?
A. 通常は軽く触る程度で大きくなることは少ないですが、強く揉んだり刺激を繰り返すことはおすすめしません。 観察のためにそっと触る程度にとどめ、評価は獣医師に任せていただくのが安心です。
Q. 高齢犬ですが、麻酔をかけて手術しても大丈夫でしょうか?
A. 事前に血液検査や心臓の検査を行い、麻酔リスクを十分に評価した上で、 手術の必要性やメリット・デメリットをご説明します。 場合によっては「無理に取らない」という選択肢もありますので、一緒に考えていきましょう。
まとめ
犬の脂肪腫(脂肪種)は、良性であることが多い一方、 見た目だけでは他の腫瘍と区別がつかないこともあり、 「ただの脂肪だろう」と自己判断してしまうのは危険な場合もあります。
新しく見つけたしこり、最近大きくなってきたできものなど、 気になるものがあれば早めにご相談ください。 検査をすることで、「大きな病気ではなかった」という安心を得られることも少なくありません。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の脂肪種(脂肪腫)の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡






