猫の便秘について 猫のうんちが出ないとき【越谷どうぶつ病院】
猫の便秘、うんちが出ないときの対処法やマッサージの仕方、原因、病院へ連れていく判断基準などについて解説します。
猫の便が数日にわたり出てこない状況、出し切れない状況を便秘と言います。
便が出ない状況が3~4日続くと食欲が低下したり、吐いたりすることがあります。
食欲があり、ごはんを食べているにも関わらず、便が出ない場合は動物病院へ受診しましょう。
【便秘は何日まで様子を見ていい?】
通常猫は1日1回から1日半に1回のペースで排便します。
しかし食餌の内容や、腸の状態によりややペースが乱れることもあります。
排便のペースには個体差がありますので、たとえ頻度が2日に1回でも食べたごはんがちゃんと消化され、停滞することなく排泄されていれば問題はありません。
いつも通りごはんを食べているようでしたら1~2日までは便が出ていなくても様子を見てもよいでしょう。
一方で3日以上排便がない場合は注意が必要です。
ちゃんとごはんを食べているにも関わらず3日以上便が出ていない場合は便が腸に停滞している可能性があります。一度動物病院へ相談しましょう。
また食欲がなく、ごはんを食べていない場合でも便が出なくなります。
この場合も同様に何かしらの食欲不振の原因があるかと思いますので動物病院へ受診してください。
【便秘の時のマッサージ】
【便秘の原因】
・フード
食物繊維の少ない食餌では便秘になりやすくなります。
尿石予防系の処方食でもやや便が硬くなる傾向があります。
食物繊維を多く含む食餌に切り替えると便秘が解消します。
どのフードに変えればよいかわからない場合は動物病院へ相談しましょう。
・巨大結腸症
巨大結腸症は結腸が膨大し、そこに便が停滞してしまう病気です。
本来結腸は食物から水分と電解質を吸収し、便を固め、直腸へ送り、体外へ排出する役割をしていますが、その結腸が膨大してしまうと、直腸へ便を送り出すことが出来なくなってしまい、便秘になってしまいます。
根治的な治療は結腸亜全摘出術という手術で結腸の膨大した部分を切除してしまう治療法です。
緩和的な治療として内服薬の投与があります。ラクツロースやポリエチレングリコールなどが一般的に使用されます。
・骨盤骨折
元々野良猫だった子に多い原因としては骨盤骨折が挙げられます。
野良猫時代に交通事故にあい、骨盤が骨折したが変形したまま癒合してしまい、結腸の通り道が狭窄してしまうことにより便秘が引き起こされます。
内科的な治療で便秘が解決しない場合は、手術による骨盤の拡張を行うか、定期的な摘便が必要となります。
・変性性腰仙椎狭窄症(DLSS・馬尾症候群)
変性性腰仙椎狭窄症は様々な原因により尾の付け根当たり(腰仙椎部位)の神経が圧迫を受けて神経麻痺などの症状を示す疾患であり、高齢の猫によく見られます。
足の踏ん張りが効きにくくなる、ジャンプをしなくなるなどの症状から、尾の付け根の痛みや足の麻痺、排尿・排便障害などが見られます。
踏ん張りが効かなくなるため、便が出しにくくなります。
治療にはステロイド剤や神経痛治療薬の内服が一般的であり、重症例では神経の圧迫を解消するために背側椎弓切除術と椎体固定が行われます。
【まとめ】
猫の便秘は、まず食欲があるかどうかを確認しましょう。
いつも通りごはんを食べているが3日以上便が出ていない場合は何からの原因により便秘になっています。
便秘の原因には、巨大結腸症、骨盤骨折、変性性腰仙椎狭窄症などがあり、フードの変更や内服薬の投与、場合により手術が必要となりますので動物病院へ受診しましょう。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、猫ちゃんが便秘でお困りの際は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡