犬の白内障について【越谷どうぶつ病院】

 

犬の白内障とは…?

 

眼球の中にあるカメラのレンズの役割を果たす器官の水晶体。

主にタンパク質と水からできています。

その水晶体が何らかの原因によりタンパク質分子の構成が乱され、

透明を維持できなくなり白濁してきてしまう病気。

 

白内障は白濁するとともに、続発症としてブドウ膜炎緑内障

発症して網膜剥離を起こしてしまうことがあります。

網膜剥離を起こしてしまうと手術をしても視覚を取り戻すことはできません。

また緑内障で眼球内の圧が高まりはかなり強い痛みが起こりますので

最悪の場合、眼球を摘出しなければならない…なんてことも。

 

白内障は若齢の場合進行が早いことが多いです。

1~2週間で完全に白濁してしまうこともあります。

若齢犬に対しては手術を行うことでまだまだ先の長い犬生を

謳歌させることができるのではないでしょうか。

※手術対象の症例とそうでない場合がございます。

 

【眼球の中の構造】

 

 

 

       【正常な眼球】          【白内障の眼球】

         

     中央の黒目が真っ黒にみえます。      中央の黒目が白く濁っています。         

 

犬の白内障の原因

先天性のものと、何らかの原因により生じる後天性のものがあります。

先天性の中には遺伝によって6歳以前の若齢で発症するものや

後天性の中には〇老齢性 〇糖尿病性 〇外傷性 〇内分泌性 〇中毒性

など原因は多岐にわたります。

 

犬の白内障の症状

水晶体の一部もしくは、全部が白濁し

進行が進むほど白く濁り、視力が低下視界が失われたり、

ぼやけることで物にぶつかったりジャンプができなくなったりします。

いつも上っていたソファーの乗らなくなった、階段を上がれなくなった

家具の配置を変えたらぶつかるようになった、お散歩を嫌がるようになったなど

 

白内障が起こりやすい犬種

〇コッカ―・スパニエル 〇プードル 〇ビーグル 

〇アフガンハウンド 〇狆 など

 

 

ステージ分類

一般的に白内障は4ステージに分類されます。

 

①初発白内障

水晶体の1割ほどの白濁。視覚への影響はまだなく、

飼い主さんが見ても気づきにくい。

 

②未熟白内障

水晶体の白濁が広がっているが100%の白濁ではなく、

まだ視力はありますが視界がぼやけたり、

かすむなどの症状がみられます。

 

➂成熟白内障

水晶体が完全に白濁し、視力の低下が顕著に見られます。

機器を用いなくても一目で水晶体の白濁が確認できる。

 

④過熟白内障

白内障の最終段階。

水晶体が硬くなり炎症を引き起こしたり

他の目の病気を併発する場合があります。

 

 

また似ている症状として核硬化症があげられます。

※核硬化症とは、見た目は白内障と変わりませんが、

眼科機器で観察すると水晶体の混濁ではなく

水晶体核と言われる水晶体の中心にある何層にも重なってできた核が加齢に伴い

層が中心に向かって圧縮されて硬くなり青みを帯びて白く見えるようになる症状です。

核硬化症だけでは痛みや違和感はなく視力障害を起こすこともありません。

核硬化症の場合加齢性の変化と考えていいでしょう。

 

白内障との判別は眼科機器の使用することでわかりますので

飼い主様ご自身でどちらか決めつけないようにご注意ください。

 

白内障の治療

 

初期の段階では定期的な検査を行い、視覚の有無について経過観察を行います。

進行してしまった白内障は自然に元に戻ることはないので、

外科治療の手術も選択の一つとなります。

手術では全身麻酔下で元の水晶体の代わりとなる人工レンズを挿入します。

 

高齢犬の老齢性白内障の場合、初期の段階で進行を予防するの点眼薬を

使用することで白内障の進行を遅らせることができます。

手術を行わない場合は続発ブドウ膜炎や、網膜剥離を防ぐ為にも

定期的に検査にいらしていただきます。

 

 

まとめ

 

白内障は目が白くなるだけ”の病気ではありません。

白内障を原因に他の病気が発症し、場合によっては視界はもちろん

眼球自体も失ってしまう可能性のある怖い病気です。

 

白内障に限らず目の病気は重症化するまでの期間が早い傾向にあります。

様子を見ていたらあっという間に悪化して取り返しがつかなくなってしまった…なんてケースも。

早期発見の為に目の異変がなくてもご来院頂き検査を受けることももちろん可能でございます!

愛犬・愛猫の目に変化を感じたら一度ご来院をお勧めします。

 

越谷市・レイクタウン・草加市・春日部市・吉川市の方で、

犬の白内障・目の違和感でお困りの際は是非当院へご相談ください。

 

 

越谷どうぶつ病院  愛玩動物看護師  田中