犬のフィラリア予防薬について解説【越谷どうぶつ病院】
犬のフィラリア予防は、愛犬の健康を守るためにとても重要です。
フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊が媒介する寄生虫であるフィラリア(犬糸状虫)が心臓や肺に寄生し、重篤な場合には命に関わることもあります。
以下、フィラリア予防のポイントを詳しくご説明します。
フィラリア症とは
フィラリア症(犬糸状虫症)は、犬の心臓や肺、血管に寄生するフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が原因で発症する病気です。
この病気は蚊によって媒介され、感染した蚊に刺されることで犬にフィラリアの幼虫が体内に侵入します。
フィラリア症が進行すると犬の心臓や肺に重大な負担をかけ、放置すると命に関わる可能性もあるため、早期予防や治療が重要です。
フィラリア症の症状
フィラリア症は、感染から症状が現れるまでに時間がかかり、初期段階では目立った症状が出ないことも多いです。
以下は代表的な症状です:
- 初期症状:疲れやすくなる、咳をする、食欲が低下する
- 中期症状:運動を嫌がる、咳が増える、呼吸が荒くなる
- 重症期:腹水がたまる、貧血、黄疸(体が黄色くなる)、衰弱
進行すると、心不全や呼吸困難を引き起こし、最終的には命に関わることがあります。
予防の開始時期と頻度
フィラリア予防は、蚊が活動する季節に合わせて行います。
通常、春から秋にかけて予防薬を投与しますが、蚊がいなくなった後も、フィラリア幼虫が体内で成長するのを防ぐため、最後の投与は蚊がいなくなった後1~2か月後まで続けます。
例えば、日本では一般的に5月から12月までの間が目安です。
予防薬の種類
フィラリア予防薬には以下のようなタイプがあります。
- 経口薬(錠剤やチュアブルタイプ):月に1回投与し、犬に食べさせます。おやつ感覚で与えやすいものもあります。
- スポットオンタイプ:首の後ろに薬液を垂らすタイプで、こちらも月に1回使用します。
- 注射薬:年に1回の注射で済むタイプもあります。動物病院での処置が必要ですが、忘れるリスクが少ないのが利点です。
当院では安全性と予防の確実性からノミ、マダニも予防できるオールインワン製剤(チュアブルタイプ)をオススメしています。
※最新のフィラリア予防薬のガイドラインではこのオールインワン製剤が、全ての犬種で安全に使えることと、蚊の駆虫効果が認められることが追加されました。
オールインワン製剤で予防できること
- フィラリア症の予防:フィラリア幼虫が成長して成虫になり、心臓や肺に寄生するのを防ぎます。
- ノミ・マダニ駆除:ノミやマダニなどの外部寄生虫を駆除することで、皮膚炎や感染症のリスクを減らします。
- 内部寄生虫の駆除:回虫や鉤虫(こうちゅう)、鞭虫(べんちゅう)など、腸内寄生虫も同時に駆除できます。これにより、犬が内部寄生虫に感染するリスクを下げ、健康を守ります。
- 疥癬やニキビダニ症の予防、治療:皮膚病の原因となるヒゼンダニやニキビダニも駆虫することができます。これらの寄生虫に感染すると皮膚の痒みや脱毛が見られます。
フィラリア検査は必ず必要
フィラリア予防薬を投与する前には、必ずフィラリア検査を行いましょう。
感染している犬に予防薬を投与すると、体内の成虫や幼虫が急死し、ショック症状などの重篤な副作用を引き起こすことがあります。
フィラリア検査は、通常、血液検査で簡単に調べられます。
予防を怠らないことの重要性
フィラリア症にかかると、治療は非常に困難で高額になることが多いです。
フィラリア成虫が心臓や肺に住み着くため、体への負担が大きく、治療には数か月を要する場合もあります。
また、完全な回復が難しい場合もあるため、予防が非常に重要です。
まとめ
フィラリア予防は、愛犬の健康を守るための基本的なケアです。
獣医師と相談し、愛犬に適した予防法とタイミングで、確実に予防を行うようにしましょう。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬のフィラリア予防をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡