【猫の肥大型心筋症】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説|越谷どうぶつ病院

【猫の肥大型心筋症】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説|越谷どうぶつ病院

 

目次


猫の肥大型心筋症とは?

猫の肥大型心筋症(HCM)とは、心臓の筋肉(心筋)が分厚くなる病気です。 心臓の壁が厚くなることで、血液を十分に送り出せなくなり、 心不全・肺水腫・血栓塞栓症(後ろ足が突然動かなくなる病気)などの重篤な症状を引き起こすことがあります。

猫の心臓病の中で最も一般的な疾患で、発見が遅れると命に関わることもあります。


猫の肥大型心筋症の主な症状

  • 元気がない
  • 呼吸が速い・苦しそう
  • 食欲不振
  • 運動を嫌がる
  • 体重減少
  • 失神(ふらつく)
  • 突然の後ろ足麻痺(血栓塞栓症)
  • 咳はほとんど出ない(犬とは異なる特徴)

初期はほぼ無症状のことが多く、気づかれにくい病気です。


猫の肥大型心筋症の原因

● 遺伝(最も多い)

特に以下の猫種は遺伝的リスクが高いと言われています。

  • メインクーン
  • ラグドール
  • スコティッシュフォールド
  • ブリティッシュショートヘア

● 甲状腺機能亢進症

高齢猫でみられ、心臓に負担がかかります。

● 高血圧

血圧が高いと心臓壁が厚くなりやすくなります。

● 特発性

はっきりした原因がわからないケースも多いです。


動物病院に行くべき目安

以下のいずれかに気づいたら早めの受診をおすすめします。

  • 呼吸が速い(1分間に40回以上)
  • 猫が口呼吸をしている
  • ぐったりして元気がない
  • 食欲がない
  • 後ろ足が急に動かない
  • 高齢になってきた(健康診断で心雑音を指摘された)

呼吸が苦しい状態は緊急性が高く、直ちに受診が必要です。


猫の肥大型心筋症の治療法

● 薬物療法

  • 血管拡張薬
  • 心拍を整える薬
  • 利尿剤(肺水腫時)
  • 抗血栓薬(血栓予防)

● 酸素療法

呼吸が苦しい場合に酸素室でケアします。

● 安静管理

過度な運動は心臓に負担をかけます。

● 原因疾患の治療

甲状腺機能亢進症や高血圧のコントロールが重要です。

● 食事管理

減塩・心臓に負担の少ないフードを推奨します。

● 中医学(漢方・鍼灸)

体質改善を目的に、心臓の負担軽減をサポートする治療も併用可能です。


越谷どうぶつ病院での治療の特徴

  • 心エコー検査で正確に心臓の厚みや動きを評価
  • レントゲンで肺水腫・心拡大を確認
  • 血液検査で甲状腺・高血圧の併発をチェック
  • 緊急時の酸素室対応が可能
  • 血栓予防のための内服調整に実績あり
  • 慢性期は中医学(漢方・鍼灸)による体質改善も提供

越谷どうぶつ病院の症例紹介

▶ 6歳・オス(メインクーン/遺伝性)

健診で心雑音を指摘され来院。心エコーでHCMと診断し、内服開始。経過は安定。

▶ 13歳・メス(甲状腺機能亢進症併発)

体重減少と頻脈で来院。甲状腺ホルモン高値でHCMを発症。 甲状腺治療と心臓薬で症状が改善。

▶ 9歳・オス(血栓塞栓症)

急に後ろ足が動かなくなり緊急来院。HCMからの血栓と診断し、治療を開始。


ご自宅でできる対処法

  • 激しい運動は避ける
  • ストレスの少ない生活環境
  • 定期的な心エコー検査
  • 呼吸数チェック(安静時:20〜30回/分が目安)
  • 処方薬を決められた通りに継続する

※呼吸が苦しそうな場合はすぐに受診してください。


猫の肥大型心筋症の予防

  • 定期的な健康診断(特に3歳以上)
  • 遺伝性の高い猫種は心エコー検診を推奨
  • 甲状腺・高血圧の早期発見
  • 肥満防止

よくある質問

Q. 肥大型心筋症は治りますか?

A. 完治は難しいですが、薬で進行を抑え、長く安定して生活できます。

Q. 血栓塞栓症は防げますか?

A. 抗血栓薬を適切に使用することでリスクを大きく下げられます。

Q. 咳は出ますか?

A. 猫の心臓病では咳はほぼ出ません。呼吸の速さが重要なサインです。

Q. 若い猫でも発症しますか?

A. はい。遺伝性の猫種では若齢でも発症が見られます。


まとめ

猫の肥大型心筋症は、心臓の壁が厚くなることで血流が悪くなり、 命に関わる重い症状を引き起こす病気です。 早期発見と継続した治療により、長く安定した生活を送ることができます。

越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、猫の肥大型心筋症でお困りの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡