【犬の涙やけ・目やに】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
【犬の涙やけ・目やに】原因・症状・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の涙やけ・目やにとは？
犬の涙やけとは、涙が過剰にあふれて目の下の毛が変色したり、皮膚がただれたりする状態をいいます。 また目やには、目の粘膜や涙の異常によって分泌される老廃物で、白・黄色・緑・茶色など種類があります。
特に短頭種（シーズー、マルチーズ、トイプードル、チワワ）では涙やけが多く、 放置すると皮膚炎・慢性結膜炎・細菌感染につながることもあります。
涙やけも目やにも“症状”であり、本当の問題はその背景にある病気や体質です。 そのため、原因を正確に判断し治療することが重要です。
主な症状
- 涙があふれる（流涙）
- 涙で目の下が赤茶色に変色する
- 目やにが多い・色が変わる
- 目の周りの毛が固まる
- 目をこする、掻く
- 目が赤い
- 涙やけが片側だけ起きる
特に片目だけの涙やけ・目やには、鼻涙管つまりや炎症のサインで要注意です。
原因
● 涙の排出口（鼻涙管）のトラブル
- 鼻涙管閉塞
- 先天的に細い（小型犬に多い）
- 慢性的な炎症によるむくみ
● 目の病気によるもの
- 結膜炎（アレルギー・細菌・ウイルス）
- 角膜炎（傷）
- 眼瞼炎（まぶたの炎症）
- ドライアイ（涙の質が悪い）
● まつげ・まぶたの異常
- 逆さまつげ
- 睫毛乱生（不規則な向きのまつげ）
● 顔の構造（特に短頭種）
涙の通り道が詰まりやすく、涙やけの発生率が高いです。
● アレルギー（環境・食物）
涙や目やにが慢性的に増える原因になります。
● 体質・免疫バランス
腸内環境や食事内容も涙の質に影響します。
動物病院に行くべき目安
以下の症状がある場合は病院での検査をおすすめします。
- 涙やけが急に悪化した
- 目やにの色が黄色・緑
- 片目だけ涙が出る
- 目を痛そうにしている
- 涙で皮膚がただれている
- 逆さまつげの疑い
涙やけは軽症に見えても、背景に病気が潜んでいることがあります。
治療法
● 原因に応じた正確な治療が重要
● 点眼治療
- 抗生剤点眼（細菌性）
- 抗炎症点眼
- ヒアルロン酸点眼（ドライアイ）
● 鼻涙管洗浄
涙の通り道を細いカテーテルで洗浄する治療です。 特に片目の涙やけや慢性症例で効果が高いことがあります。
● 逆さまつげの処置
まつげが角膜や結膜を刺激している場合は除去します。
● アレルギー治療
- 内服薬
- アレルギー食への切り替え
● 食事改善・腸内環境サポート
涙の質を改善して涙やけを減らすことができます。
● 中医学（漢方）・体質改善
体質改善として慢性の涙やけに有効な場合があります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 涙やけ・目やにの原因を正確に診断（眼科検査・涙量検査）
- 鼻涙管洗浄が可能
- 逆さまつげ・ドライアイ・結膜炎を総合的に治療
- アレルギー検査や食事指導も対応
- 漢方や体質改善治療など統合医療にも対応
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 7歳・トイプードル（片目の涙と赤み）
細菌性結膜炎と診断し点眼治療で3日ほどで回復。
▶ 10歳・シーズー（ドライアイ）
涙の量が少なく目やにが多いタイプ。ヒアルロン酸点眼と漢方併用で良好に維持。
ご自宅でできる対処法
- 目の下を毎日優しく拭く（刺激の弱いガーゼ）
- 目の周囲の毛を短く保つ
- 加湿器で乾燥を防ぐ
- アレルゲン（花粉・ハウスダスト）対策
- 飲水量を増やす（涙の質改善）
- 清潔なトリミングで顔まわりを整える
※アルコールや強い成分の目のケア用品は炎症を悪化させることがあります。
予防
- こまめな目のケア
- アレルギー管理
- 涙の通り道のケア
- 顔まわりの清潔維持
- 健康な食事と腸内環境の改善
よくある質問
Q. 涙やけは市販ケア用品で治りますか？
A. 一時的な改善はありますが、根本治療にはなりません。
Q. 片目だけ涙が出るのは病気？
A. 鼻涙管閉塞の疑いがあります。検査をおすすめします。
Q. 茶色い涙は病気？
A. 涙に含まれるポルフィリン色素が酸化して茶色くなります。涙やけの典型です。
Q. 手術が必要になることはありますか？
A. 逆さまつげや重度の構造異常など、場合によっては処置や手術が必要です。
まとめ
犬の涙やけ・目やには見た目の問題だけでなく、結膜炎・アレルギー・鼻涙管のつまりなど 体の異常を知らせるサインです。 原因がさまざまなため、正確な検査と適切な治療がとても大切です。
当院では鼻涙管洗浄から漢方・体質改善まで総合的に治療を行い、涙やけで悩むワンちゃんをサポートしています。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の涙やけ・目やに治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
