【犬の涙（流涙症）】原因・治療法・ホームケアを獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
【犬の涙（流涙症）】原因・治療法・ホームケアを獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の涙（流涙症）とは？
犬の涙やけや涙があふれる症状は「流涙症（りゅうるいしょう）」と呼ばれ、 涙が過剰につくられたり、涙の排出口（涙点）が詰まることで起こります。
涙が多いだけでなく、目の下が茶色に変色したり、皮膚が赤くただれることもあり、 体質だけでなくアレルギー・目の病気・鼻涙管の閉塞など原因はさまざまです。
主な症状
- 涙が常にあふれている
- 目の下が茶色く変色（涙やけ）
- 目の周りが濡れて臭う
- 目の下の皮膚が赤い・ただれる
- 目をこする・掻く
- 白く粘りのある涙が出る
- 片側だけ涙が出る
犬が涙を流す原因
● ① アレルギー（花粉・ハウスダスト・食物）
涙の増加、目のかゆみ、目やになどを伴います。
● ② 目の病気（結膜炎・角膜炎・ドライアイ）
目の痛みを軽減しようとして涙が増えます。
● ③ 鼻涙管の閉塞・狭窄
涙は本来「鼻涙管」を通って鼻へ流れますが、
この管が詰まっていると涙が目からあふれてしまいます。 片側だけの流涙は特に要注意。
● ④ まぶたの異常（逆さまつげ・睫毛乱生）
まつ毛が目を刺激し続けると涙が止まりません。
● ⑤ 目の形の特徴（短頭種・涙やけが多い犬種）
マルチーズ、トイプードル、シーズー、フレンチブルドッグなどは 涙やけが起こりやすい犬種です。
● ⑥ 乾燥・エアコン
乾燥は涙の蒸発を増やし、防御反応で涙が過剰に出ます。
● ⑦ 感染症（ウイルス・細菌）
涙と目やにが同時に増えることが多いです。
動物病院に行くべき目安
- 涙が毎日のように溢れ続ける
- 涙やけが急に悪化した
- 目やにが増えてきた
- 片側だけ涙が出る
- 目を痛がる・こする
- 白い涙や濃い目やにが出る
片側だけの涙は鼻涙管閉塞や腫瘍の可能性があるため要注意です。
治療法
● ① アレルギー治療
- アレルギー薬
- 食事療法
- 環境改善（花粉・ハウスダスト対策）
● ② 鼻涙管洗浄
涙の出口（涙点）から細いカテーテルで洗浄し、 詰まりを改善する治療です。 効果が出ると涙の量が明らかに減ります。
● ③ 逆さまつげ・睫毛乱生への処置
毛抜き、焼却治療、場合により外科手術を行うこともあります。
● ④ 目の炎症治療
- 抗生剤点眼
- 抗炎症点眼
- 潤いを保つ点眼（ヒアルロン酸）
● ⑤ 中医学（鍼灸・漢方）
慢性的な涙やけでは体質改善が鍵になるため、 漢方は炎症を抑え、涙の質や体のバランスを整える補助治療として効果があります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 原因に応じた精密検査（涙点検査・染色検査・眼科検査）
- 鼻涙管洗浄を院内で実施可能
- 逆さまつげ・睫毛異常にも対応
- アレルギー検査・治療の選択肢が豊富
- 中医学（鍼灸・漢方）を組み合わせた治療も可能
- 涙やけの再発防止プログラムを作成
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 3歳・トイプードル（両側の涙やけ）
アレルギー性涙やけ。食事変更＋保湿点眼で改善。
▶ 1歳・マルチーズ（片側の涙）
鼻涙管の詰まりが原因。鼻涙管洗浄で明らかに改善。
▶ 9歳・シーズー（涙＋白い目やに）
軽度角膜炎を併発。点眼治療で症状が落ち着く。
ご自宅でできる対処法
- 目の下を1日1〜2回ぬるま湯でやさしく拭く
- 目の周りの毛を短く整える
- 加湿器で乾燥を防ぐ
- アレルギー対策（空気清浄機・掃除）
- 質の良いドッグフードを選ぶ
- 涙やけ専用ローションの使用
※市販の刺激が強いローションは使用に注意。
予防
- こまめな目のケア
- アレルギー管理
- 愛犬に合ったフード選び
- 鼻涙管が詰まりやすい犬種は定期的チェック
- まぶたやまつ毛の異常は早めの対処を
よくある質問
Q. 涙やけは体質ですか？
A. 体質だけでなく、アレルギーや鼻涙管の閉塞が原因のことも多いです。
Q. 鼻涙管洗浄は痛いですか？
A. 麻酔または鎮静下で行いますので痛みはありません。
Q. 涙やけは自然に治る？
A. 原因次第ですが、放置すると悪化することが多いです。
まとめ
犬の涙（流涙症）は、アレルギー、鼻涙管閉塞、目の病気、まぶたの異常など さまざまな原因で起こります。
涙が続く、涙やけがひどい、片側だけ涙が出るなどの場合は、 原因を解明し、適切な治療を行うことが改善の近道です。 日々のケアと医療を組み合わせれば、多くの場合で症状の軽減が見込めます。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の涙・流涙症治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
