【犬の気管虚脱】ガーガー咳・呼吸困難は要注意！原因・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
【犬の気管虚脱】ガーガー咳・呼吸困難は要注意！原因・治療法を獣医師が徹底解説｜越谷どうぶつ病院
目次
犬の気管虚脱とは？
気管虚脱とは、空気の通り道である気管がつぶれてしまう病気です。 特に小型犬（チワワ・ポメラニアン・トイプードル・ヨーキー・シーズー）に多く見られます。
気管がつぶれることで、空気が通りにくくなり 「ガーガー」「ゼーゼー」といった特徴的な咳や呼吸困難が起こります。
進行性の病気であり、治療には早期の介入が非常に重要です。
主な症状
- ガーガーというガチョウのような咳
- 興奮すると咳が悪化
- 散歩中にゼーゼーする
- 運動を嫌がる
- 呼吸が早い・苦しそう
- 咳き込んでえずく
- 寝ている時にも咳が出る
- 酸素不足で舌が紫色になる（チアノーゼ／緊急）
気管虚脱は咳だけでなく、呼吸そのものが苦しくなる病気です。
原因
● ① 気管軟骨の弱さ（先天性）
遺伝的に軟骨が弱く、生まれつき気管が潰れやすい犬種がいます。
● ② 加齢（後天性）
年齢とともに軟骨が弱くなり、気管が変形します。
● ③ 肥満
気管への負担が増え、症状を悪化させます。
● ④ 慢性的な咳
気管への刺激が慢性化することで気管が弱くなります。
● ⑤ アレルギー・鼻炎・喉の炎症
咳が続くことで気管が刺激され悪化します。
● ⑥ 心臓病との併発
小型犬では心臓病と気管虚脱が同時に起きやすいです。
動物病院に行くべき目安
- ガーガー咳が続く
- 咳が1〜2週間改善しない
- 興奮で窒息しそうになる
- 散歩中にゼーゼーする
- 息が苦しそう・呼吸が浅い
- 舌が紫色になる（緊急）
気管虚脱は進行性のため、様子見は禁物です。 早めの診断で呼吸の負担を大きく減らすことができます。
治療法
● ① 内服治療（基本）
咳を抑え、気管の炎症を改善する薬を使用します。
- 咳止め（鎮咳薬）
- 気管支拡張薬
- ステロイド（炎症が強い場合）
- 抗生物質（感染がある場合）
● ② ダイエット
肥満は気管虚脱を悪化させるため 体重管理は最重要ポイントです。
● ③ 酸素治療（苦しい時）
呼吸困難がある場合に使用します。
● ④ 外科手術（重症）
気管ステントや外固定術など、専門施設による手術で改善するケースもあります。 重度の気管虚脱に適応。
● ⑤ 中医学（漢方・鍼灸）
慢性咳・呼吸器の虚弱に対して 漢方や鍼灸で気道の炎症を鎮める治療を併用することがあります。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- レントゲン検査で気管の潰れ具合を正確に確認
- 犬種・重症度に応じたオーダーメイド治療
- 生活環境の改善アドバイスも充実
- 必要に応じて専門施設へ外科手術を紹介可能
- 漢方・鍼灸など統合医療の併用も可能
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 6歳・ポメラニアン（ガーガー咳）
レントゲンで軽度気管虚脱。内服とダイエット指導で症状が安定。
▶ 10歳・ヨークシャーテリア（呼吸困難）
中等度の気管虚脱。内服＋酸素治療で回復し、現在は管理中。
▶ 8歳・チワワ（夜間の咳発作）
慢性気管炎併発。気管支拡張薬と漢方の併用で改善。
ご自宅でできる対処法
- 興奮させすぎない
- 首輪ではなくハーネスを使用
- 室内の温度・湿度を整える（乾燥は悪化原因）
- タバコ・香水・スプレーを避ける
- 肥満対策
- 散歩は涼しい時間帯にする
発作時に喉を触ったり揺さぶるのは逆効果です！
予防
- 肥満予防
- 首輪ではなくハーネス習慣
- 咳が出たら早めに受診
- 慢性鼻炎・アレルギーを悪化させない
- 空気清浄機の活用
よくある質問
Q. 気管虚脱は治りますか？
A. 完治は難しいですが、治療で長く安定した生活が可能です。
Q. 手術は必要？
A. 重度の場合のみ。多くは内科治療で管理できます。
Q. 咳止めだけで大丈夫？
A. 原因や重症度によって薬の種類を変える必要があります。
Q. 気管虚脱は遺伝しますか？
A. 小型犬に多く、遺伝的素因の関与があるとされています。
まとめ
犬の気管虚脱は、小型犬に多くみられる呼吸器疾患です。 ガーガーという特徴的な咳・呼吸困難が主な症状で、 未治療のまま放置すると症状が進行し生活の質が低下します。
早期診断・適切な治療により、咳や呼吸の苦しさは大きく改善します。 気になる咳が続く場合は、できるだけ早めにご相談ください。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の気管虚脱の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡
