【犬の僧帽弁閉鎖不全症】心雑音が聞こえたら要注意。小型犬に多い心臓病を獣医師が徹底解説|越谷どうぶつ病院

【犬の僧帽弁閉鎖不全症】心雑音が聞こえたら要注意。小型犬に多い心臓病を獣医師が徹底解説|越谷どうぶつ病院

 

目次


犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左側にある「僧帽弁」がしっかり閉まらなくなることで 血液が逆流してしまう心臓病です。 犬の心臓病の中で最も多く、小型犬に特に多い病気として知られています。

動物病院の健康診断で「心雑音があります」と言われた場合、 この僧帽弁閉鎖不全症であることが非常に多いです。

進行性の病気ですが、早期発見・早期治療により寿命を大きく延ばすことが可能です。


主な症状

● 初期症状(無症状のことも多い)

  • 心雑音が聞こえる
  • 少し疲れやすい

● 中等度

  • 運動を嫌がる
  • 咳が増える(特に夜間や明け方)
  • 呼吸がゼーゼーする
  • 食欲が落ちる
  • 元気がない

● 重度(緊急)

  • チアノーゼ(舌が紫)
  • 呼吸困難
  • 失神(失神発作)
  • 肺水腫(命に関わる状態)

「咳」「呼吸が苦しそう」は心臓病の代表的な症状です。 見逃さず、早めの検査をおすすめします。


原因

● ① 加齢による弁の変性(最も多い)

中高齢になると僧帽弁が厚く変形し、うまく閉まらなくなります。

● ② 遺伝的要因

以下の犬種で特に発生しやすいとされています:

  • チワワ
  • トイプードル
  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

● ③ 高血圧・他の心臓病の併発

● ④ まれに先天性の弁異常


動物病院に行くべき目安

  • 健康診断で心雑音を指摘された
  • 咳が増えた
  • 散歩中にすぐ疲れる
  • 夜間にゼーゼーしている
  • 呼吸が浅く早い
  • 失神した(緊急)

心雑音がある時点で、一度は心エコー検査を受けることを強く推奨します。


治療法

● ① 内科治療(薬によるコントロール)

僧帽弁閉鎖不全症の治療の中心は内服薬です。 症状の進行を遅らせ、心臓の負担を大きく減らします。

  • 強心薬(ピモベンダン):心臓のポンプ力を強化
  • 利尿剤:肺水腫を防ぐ
  • 降圧薬(ACE阻害薬):血圧を下げ心臓の負担を軽減

● ② 外科治療(弁形成術・弁置換術)

日本でも徐々に普及してきた手術治療。 専門施設での対応が必要ですが、 成功すれば劇的な改善が期待できるケースもあります。

● ③ 緊急治療(肺水腫時)

酸素室・利尿剤・強心薬など、命を守るための即時対応を行います。


越谷どうぶつ病院での治療の特徴

  • 心エコー・レントゲン・血圧測定を組み合わせた詳細な評価
  • 個々のステージに合わせた内服治療を調整
  • 急変時の緊急対応に対応
  • 専門施設での手術(弁形成術)とも連携可能
  • お薬の飲ませ方・生活管理の細かなサポート
  • 漢方を併用した体質改善ケアにも対応

越谷どうぶつ病院の症例紹介

▶ 12歳・チワワ(ステージB2)

心雑音の検出後、心エコーで逆流を確認。薬の投与開始し咳が改善。

▶ 10歳・トイプードル(ステージC)

夜間の咳と呼吸困難で来院。肺水腫と診断し緊急治療を行い安定。その後は投薬治療を継続し経過良好。

▶ 13歳・チワワ(ステージC)

肺水腫の治療後に専門施設と連携し外科手術を実施。その後経過は良好。


ご自宅でできる対処法

  • 太らせない・適正体重を維持
  • 激しい運動を避ける
  • こまめに呼吸数をチェック(安静時で1分間に15〜30回)
  • 咳の頻度をメモしておく
  • お薬は毎日決まった時間に飲ませる
  • 興奮させすぎない、暑さを避ける

呼吸が苦しそうな時はすぐに受診してください。


予防

  • 定期的な健康診断(特にシニア犬)
  • 心雑音を指摘されたら心エコー検査
  • 肥満予防
  • 過度の運動を避ける
  • 歯周病ケア(炎症は心臓に負担をかける)

よくある質問

Q. 心雑音があると言われました。すぐ治療が必要ですか?

A. ステージによります。まずは心エコー検査で進行度を確認します。

Q. 咳が止まりません。心臓病ですか?

A. 心臓病の可能性があります。気管虚脱や気管支炎との鑑別が必要です。

Q. 薬は一生飲み続けるの?

A. ほとんどの場合、継続治療が必要です。

Q. 手術したほうが良い?

A. 状態・年齢・全身状態によります。まずは詳細な検査を行います。


まとめ

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬に最も多い心臓病で、 心雑音はその重要なサインです。

進行すると呼吸困難や肺水腫を引き起こすため、 早期の心エコー検査と適切な内服治療が寿命を延ばす鍵です。

咳が増えた、疲れやすい、呼吸が速いなどの症状がある場合、 早めにご相談ください。

越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の僧帽弁閉鎖不全症・心臓病の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡