【犬の急性膵炎・慢性膵炎】繰り返す嘔吐・ぐったりは要注意。命を守るために知っておきたい膵炎のこと|越谷どうぶつ病院

【犬の急性膵炎・慢性膵炎】繰り返す嘔吐・ぐったりは要注意。命を守るために知っておきたい膵炎のこと|越谷どうぶつ病院

 

目次


犬の膵炎(急性膵炎・慢性膵炎)とは?

膵臓(すいぞう)は、消化酵素を分泌したり、インスリンなどのホルモンを出したりする、とても大切な臓器です。 その膵臓に炎症が起きた状態を「膵炎」と呼びます。

● 急性膵炎とは

急性膵炎は、膵臓に急激な炎症が起こり、突然の激しい嘔吐や腹痛、ぐったりといった症状が出る病気です。 命に関わることもある緊急疾患で、早期に治療を開始できるかどうかが予後に大きく影響します。

● 慢性膵炎とは

慢性膵炎は、軽い炎症が長期間続くタイプで、 「何となくお腹が弱い」「下痢と嘔吐を繰り返す」といったはっきりしない症状が続くことが多いのが特徴です。 繰り返すことで膵臓の機能が徐々に落ちていき、将来的に糖尿病や消化不良につながることもあります。


主な症状

● 急性膵炎でよく見られる症状

  • 何度も繰り返す激しい嘔吐
  • 食欲廃絶(まったく食べない)
  • ぐったりして動かない・元気がない
  • お腹をかばうような姿勢(祈りのポーズ:前足を伸ばしてお尻だけ上がる)
  • 腹痛(お腹を触ると嫌がる・キャンと鳴く)
  • 下痢・軟便
  • 発熱
  • 脱水(皮膚をつまんでも戻りが悪い、口が乾いている)

● 慢性膵炎でよく見られる症状

  • ときどき嘔吐する
  • 時々お腹がゆるくなる/下痢を繰り返す
  • なんとなく元気がない日がある
  • 体重が少しずつ減ってきた
  • 脂っこいものを食べると体調を崩す

「様子を見ていたら治るかな」と放置すると、急性膵炎が重症化して命に関わるケースもあります。 いつもと違う嘔吐やぐったりが見られたら、早めにご相談ください。


原因

● ① 食事(脂肪分の多い食べ物)

急にこってりしたごはん・お肉・揚げ物・人の食べ物を食べたあとに急性膵炎を起こすケースは少なくありません。

● ② 肥満・高脂血症

肥満や中性脂肪が高いワンちゃんは膵炎を起こしやすいとされています。

● ③ 他の病気に伴う膵炎

  • 糖尿病
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  • 胆道系疾患 など

● ④ 薬剤・中毒

一部の薬や中毒物質が膵炎の引き金になることがあります。

● ⑤ 特発性(原因不明)

明確な原因が特定できない「特発性」膵炎も多く、 体質・免疫・食事・環境などが複合的に影響していると考えられています。


動物病院に行くべき目安

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 1日に何度も嘔吐している
  • 水も飲めない・飲んでもすぐ吐く
  • ぐったりして動かない
  • お腹を丸めて痛そうにしている
  • 食欲が2日以上続けてない
  • 繰り返しお腹をこわす・嘔吐を繰り返す
  • 急に元気と食欲が落ちた

急性膵炎は「様子をみているうちに悪化してしまう」代表的な病気です。 早期の点滴治療・痛みのコントロールがとても重要になります。


治療法(急性膵炎・慢性膵炎)

● ① 急性膵炎の治療

急性膵炎は入院治療が必要となるケースが多い病気です。 主な治療は次のようなものです。

  • 点滴治療(静脈点滴):脱水の補正・血流改善・膵臓の負担軽減
  • 鎮痛薬:強い腹痛を和らげる
  • 制吐剤:嘔吐を止めて体力の消耗を防ぐ
  • 抗生剤(必要に応じて)
  • 電解質バランスの補正
  • 状態が落ち着いた段階での適切な食事再開

重症の場合は、集中管理・酸素管理などが必要になることもあります。 「一晩様子を見てから…」が命取りになることもある病気です。

● ② 慢性膵炎の治療

慢性膵炎では、以下のような「長期的なコントロール」が中心になります。

  • 低脂肪で消化の良い食事への切り替え
  • 膵臓の負担を減らすための食事管理
  • 必要に応じた膵酵素剤の投与
  • 吐き気止め・胃腸薬の使用
  • 慢性的な痛み・不快感の緩和

慢性膵炎はうまく付き合っていく病気のひとつです。 その子の体質・生活スタイルに合わせて、最適な治療と食事プランを一緒に考えていきます。


越谷どうぶつ病院での治療の特徴

  • 血液検査・超音波(エコー)検査・レントゲンを組み合わせた診断
  • 膵炎の指標となる専用血液検査(犬膵特異的リパーゼなど)に対応
  • 急性膵炎に対する点滴治療・疼痛管理を重視
  • 慢性膵炎に対する食事・サプリメント・漢方なども相談可能
  • その子とご家族の生活に合わせた無理のない治療プランをご提案

「入院が必要かどうか」「どこまで検査をするか」なども、 ご家族と相談しながら決めていきますので、不安なことは遠慮なくご相談ください。


越谷どうぶつ病院の症例紹介

▶ 8歳・ミニチュアダックス(急性膵炎)

数日前にこってりしたお肉を多く食べた後から嘔吐が続き来院。 血液検査とエコー検査で急性膵炎と診断。数日間の入院・点滴治療と痛みのコントロールで、徐々に食欲と元気が回復しました。

▶ 10歳・トイプードル(慢性膵炎疑い)

時々嘔吐と下痢を繰り返すとのことで受診。 検査で膵炎マーカーの上昇がみられ、慢性膵炎が疑われる状態。 低脂肪食への切り替えとお腹のサポートの薬により、症状の頻度が大きく減少しました。


ご自宅でできる対処法

  • 人の食べ物・脂っこいおやつを与えない
  • 急にフードの量を増やしたり、ごちそうをドカ食いさせない
  • 体重管理(肥満予防)
  • 吐き気や食欲低下があれば、早めに受診を検討する
  • 獣医師の指示通りにお薬・食事療法を継続する

「市販の胃腸薬を飲ませて様子を見る」ことは危険な場合もあります。 自己判断はせず、必ず動物病院にご相談ください。


予防

  • 日頃から脂肪分の多い食事・おやつを控える
  • 適正体重の維持(肥満予防)
  • 既往歴がある子は、膵臓に負担の少ないフードを継続
  • 中高齢のワンちゃんは、年に1〜2回の健康診断

特に一度膵炎になった犬は再発しやすいため、 日頃の食事管理・体調チェックが何よりの予防になります。


よくある質問

Q. 急性膵炎は治りますか?

A. 早期に治療を開始できれば回復が期待できますが、重症の場合は命に関わることもあります。

Q. 一度膵炎になったら、また繰り返しますか?

A. 再発しやすい病気です。フードやおやつの管理がとても重要です。

Q. 慢性膵炎は治りますか?

A. 完全に「治す」というより、悪化させない・症状を抑えることを目標とした長期管理が中心になります。

Q. 自宅で様子を見ても大丈夫な膵炎はありますか?

A. 嘔吐・ぐったりがある膵炎は、自己判断での様子見は危険です。必ず検査・診察を受けてください。


まとめ

犬の急性膵炎・慢性膵炎は、 「ちょっとお腹をこわしただけかな?」と見過ごされやすい一方で、 重症化すると命にかかわる病気です。

特に、繰り返す嘔吐・ぐったり・お腹を痛そうにするといった症状がある場合は要注意。 早めに動物病院で検査を受けることで、救える命がたくさんあります。

膵炎は食事管理や生活環境の見直しによって、再発を防いだり、症状を軽く保つことも可能です。 気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の膵炎(急性/慢性)の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡