【犬の貧血】「なんだか元気がない」「歯ぐきが白い?」それは犬の貧血かもしれません|越谷どうぶつ病院
【犬の貧血】「なんだか元気がない」「歯ぐきが白い?」それは犬の貧血かもしれません|越谷どうぶつ病院
目次
- 犬の貧血とは?
- 犬の貧血で見られる主な症状
- 犬の貧血の主な原因
- 動物病院に行くべき目安
- 犬の貧血の治療法
- 越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 越谷どうぶつ病院の症例紹介
- ご自宅での対処法
- 犬の貧血の予防
- よくある質問
- まとめ
犬の貧血とは?
犬の貧血(ひんけつ)とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンの量が減ってしまい、 体のすみずみに十分な酸素を運べなくなった状態のことをいいます。
「貧血」というと、フラフラしているイメージがあるかもしれませんが、 犬では見た目の変化がわかりにくいことも多く、気づいたときには進行していることも少なくありません。
犬の貧血は、
- 急性の貧血(突然起こるタイプ)
- 慢性の貧血(少しずつ進行するタイプ)
に分けられ、原因もさまざまです。「犬の貧血=一つの病気」ではなく、背景に別の病気が隠れていることがほとんどです。
犬の貧血で見られる主な症状
犬の貧血では、酸素が足りなくなることによる症状や、原因となっている病気による症状が現れます。 次のようなサインが見られたら、犬の貧血を含む「血液の病気」の可能性があります。
● 見た目の変化
- 歯ぐきや舌の色が白っぽい・ピンク色が薄い
- 目の結膜(まぶたの裏)が白っぽい
- 耳の内側の皮膚がいつもより白っぽく見える
● 元気・動きの変化
- 元気がない、すぐ横になってしまう
- 散歩で歩きたがらない・すぐ座り込む
- 以前と比べて明らかに動きがゆっくりになった
- 少し動いただけでハァハァと息切れする
● その他の症状
- 心拍数が速い・ドキドキしている感じがする
- 体重減少
- 食欲低下・吐き気
- 黒っぽい便・血便・血尿などの出血のサイン
- 黄疸(白目や皮膚が黄色っぽく見える)
特に「歯ぐきが白い」「いつもよりぐったりしている」と感じたときは、 犬の貧血を含めた緊急性の高い病気が隠れていることもあるため、早めの受診をおすすめします。
犬の貧血の主な原因
犬の貧血の原因は、大きく分けて次の3つです。
● ① 出血による貧血
体のどこかから血液が外に流れ出てしまうタイプの貧血です。
- ケガや交通事故などによる外傷性出血
- 胃腸からの出血(胃潰瘍、腫瘍、異物など)
- 子宮や膀胱からの出血
- ノミ・ダニなどの寄生虫が大量についている場合
● ② 赤血球が壊されることによる貧血(溶血性貧血)
体の中で赤血球が異常に壊されてしまうタイプの貧血です。
- 免疫介在性溶血性貧血(IMHA):自分の免疫が赤血球を攻撃してしまう病気
- 感染症(寄生虫・細菌など)
- 一部の毒物・薬物 中毒など
このタイプの貧血では、黄疸(白目や皮膚が黄色い)や褐色のおしっこが見られることもあります。
● ③ 赤血球がうまく作れない貧血
骨髄の機能低下などにより、赤血球の産生そのものが追いつかないタイプです。
- 慢性腎臓病などの慢性疾患
- 骨髄の病気(骨髄疾患・腫瘍など)
- 栄養不良(極端なダイエット・偏った食事など)※犬ではまれ
犬の貧血は、原因によって治療法・予後が大きく変わるため、 まずは血液検査や画像検査を通して、どのタイプの貧血なのかを見極めることが重要です。
動物病院に行くべき目安
次のような様子がみられたら、犬の貧血を含めた病気が疑われます。 なるべく早めの受診をおすすめします。
- 歯ぐき・舌・まぶたの裏が明らかに白っぽい
- 急に元気がなくなった・動きたがらない
- 散歩中すぐに止まる・座り込む
- 心臓がドキドキ速く打っている感じがする
- 黒っぽいタール便・血便・血尿がある
- 黄疸(目や皮膚が黄色い)が見られる
- 短期間で体重が減ってきた
犬の貧血は、急激に進行するタイプでは命に関わる緊急疾患になることもあります。 「様子を見ていたら良くなるかも」と自己判断せず、気になった時点でご相談ください。
犬の貧血の治療法
犬の貧血の治療は、原因の特定と全身状態の安定化の2本柱で行います。
● ① 原因に対する治療
- 出血が原因の場合:出血源の特定と止血(外傷の処置、胃腸の病気の治療、腫瘍の手術など)
- 免疫介在性溶血性貧血の場合:免疫を抑える薬(免疫抑制剤など)による治療
- 感染症の場合:原因に応じた抗生剤・駆虫薬など
- 骨髄や慢性疾患が原因の場合:基礎疾患のコントロール・サポート治療
● ② 貧血そのものに対するサポート
- 輸血(ゆけつ)治療:重度の貧血で命に関わる場合、他の健康な犬の血液を輸血することで、一時的に酸素運搬能力を回復させます。
- 点滴・栄養管理:脱水や低血圧がある場合のサポート
- 胃薬や保護薬:出血や薬の副作用から胃腸を守るため
犬の貧血は、治療開始が早いほど回復のチャンスが広がる病態です。 特に免疫介在性溶血性貧血などは、早期の治療が予後を大きく左右します。
越谷どうぶつ病院での治療の特徴
- 血液検査(赤血球数・ヘモグロビン・網赤血球など)による犬の貧血の段階評価
- 血液塗抹検査で、赤血球の形の異常や溶血の有無をチェック
- レントゲン・エコー検査で出血源や腫瘍・臓器の状態を評価
- 必要に応じて二次診療施設(高度医療センター)との連携
- ご家族と相談しながら、輸血・入院・在宅ケアのバランスを検討
犬の貧血の原因は多岐にわたるため、一つ一つ可能性をつぶしながら診断を進めていくことが大切です。 検査や治療の内容・費用についても、その都度ご説明しながら進めていきます。
越谷どうぶつ病院の症例紹介
▶ 10歳・中型犬(慢性的な貧血)
「最近疲れやすく、散歩で座り込むことが増えた」とのことで受診。 歯ぐきが白く、血液検査で中等度の貧血が見つかりました。 追加検査の結果、慢性腎臓病に伴う貧血と診断され、腎臓のサポート食・内服薬とともに、定期的なモニタリングを行うことで、 現在も穏やかに生活できています。
▶ 6歳・小型犬(急性の出血性貧血)
急に元気がなくなり、黒っぽいタール便が出たとのことで来院。 検査の結果、胃腸からの出血による急性の貧血が判明。 必要な処置と輸血を行い、入院管理ののち退院。 現在は消化管の基礎疾患の治療を続けながら、再発予防のためのケアを行っています。
ご自宅での対処法
犬の貧血が疑われる場合、ご自宅でできることと、してはいけないことがあります。
● ご自宅で気をつけたいポイント
- 激しい運動を控え、安静を保つ
- 様子が心配なときは動画や写真で記録しておく(歯ぐきの色、呼吸の様子など)
- 脱水しないよう、飲水量を確認する
● 自己判断で避けてほしいこと
- 市販のサプリや人間用の鉄剤を自己判断で与えること
- 「元気がないから」と無理に散歩や運動をさせること
- 明らかな出血があるのに、受診を先延ばしにすること
犬の貧血は、見た目では軽そうに見えても、実は重症化していることがあるため、 気になる症状があるときは、まずは動物病院にご相談ください。
犬の貧血の予防
すべての犬の貧血を防ぐことはできませんが、次のような点に気をつけることで、予防や早期発見につながります。
- フィラリア・ノミ・マダニの予防をしっかり行う(寄生虫により貧血を起こすことがあります)
- 年1〜2回の健康診断で血液検査を受ける
- シニア期に入ったら、定期的に歯ぐきや舌の色をチェックする習慣をつける
- 突然の体重減少や食欲低下があれば放置しない
よくある質問
Q. 犬の貧血は「鉄分不足」が原因ですか?
A. 人のイメージとは異なり、犬の貧血の多くは単純な鉄分不足が原因ではありません。 出血・赤血球の破壊・骨髄機能の低下など、別の病気が背景にあることがほとんどです。 自己判断で鉄剤を与えることはおすすめできません。
Q. 貧血は治りますか?
A. 原因によります。出血や一部の免疫性疾患など、早期に適切な治療を行えば改善が期待できる貧血もあれば、 慢性疾患に伴う貧血のように、付き合いながらコントロールしていくタイプもあります。
Q. 貧血があっても散歩に行っていいですか?
A. 貧血の程度によりますが、中等度以上の貧血では激しい運動は避けるべきです。 散歩の量や運動量は、検査結果や体調を見ながら獣医師と相談して決めましょう。
Q. 家で歯ぐきの色をチェックするコツはありますか?
A. 普段元気なときの歯ぐきの色を写真に残しておくと、異変に気付きやすくなります。 「薄いピンクが普段」「今日は白っぽい」など、日々の比較が大切です。
まとめ
犬の貧血は、命に関わる重篤な病気のサインであることも多く、 「なんとなく元気がない」「歯ぐきが白い気がする」という小さな変化が、実は大事につながっていることもあります。
早期に血液検査を行い、原因を見極めてあげることで、治療の選択肢や回復の可能性が大きく広がります。 犬の貧血が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
越谷市、レイクタウン、草加市、春日部市、吉川市の方で、犬の貧血の検査・治療をお考えの方は当院へご相談ください。
越谷どうぶつ病院
院長 岩岡






