避妊・去勢手術

避妊・去勢手術は犬、猫の飼い主様の誰もが最初に通る道で、多くの犬や猫にとっては最初で最後の手術です。
そのため飼い主様にとっては手術を受けさせるべきかどうか非常に悩まれることかと思います。
避妊はした方がいいの?
自然が一番いいのでは?
病気でないのに手術するのはおかしいのでは?

上記のようなお悩みがある方は一度当院へご相談ください。
避妊・去勢手術を受けることにより、病気の予防はもとより発情に伴うストレスを無くしてあげることができます。
子孫を残す予定が無いのであれば避妊・去勢手術を受けさせることをおすすめします。避妊・去勢手術は6か月以上で受けられます。

去勢手術のメリット

ストレスの軽減

雌に反応し吠え続ける、マウンティング、マーキング、逃走、などの問題行動を抑えます。

生殖器疾患の予防

精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニアなどの病気が予防できます。

攻撃性の低下

闘争心が低下します。ただしなわばりの防衛、恐怖心からの噛みつき、捕食行動などは手術後も変わりません。

去勢手術のデメリット

太りやすくなる

手術前に比べ一日に必要なカロリー数が減少します。避妊・去勢後用のフードで肥満にならないように体重をコントロールしましょう。

全身麻酔のリスク

当院では手術前に一度ご来院頂き、血液検査と胸部レントゲン検査を行い、麻酔が安全にかけられるかどうかを評価しています。

避妊手術のメリット

生殖器疾患の予防

子宮蓄膿症、子宮・卵巣腫瘍、乳腺腫瘍を防ぐことが出来ます。

初回生理・発情前に避妊手術をすることにより、乳腺腫瘍の発生率を1%未満に抑えることが出来ます。

ストレスの軽減

発情によるストレス、腹部痛、体調不良をなくすことが出来ます。

望まれない妊娠を防ぐ

犬ではドックランで飼い主様の知らない間に交配してしまう場合や、猫では外へ脱走した際に妊娠してしまうことがあります。

避妊手術のデメリット

太りやすくなる

手術前に比べ一日に必要なカロリー数が減少します。避妊・去勢後用のフードで肥満にならないように体重をコントロールしましょう。

全身麻酔のリスク

当院では手術前に一度ご来院頂き、血液検査と胸部レントゲン検査を行い、麻酔が安全にかけられるかどうかを評価しています。

尿失禁

ごくまれに避妊手術をうけた雌犬で尿失禁をしてしまう場合があります。

エストロジェン(女性ホルモン)製剤もしくはイソフラボンを含むサプリメントなどで治療します。

避妊・去勢手術で防げる病気

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は子宮内に感染が起こり、膿が溜まってしまう病気です。
6歳以降の未避妊の雌に多く、特に生理後3カ月以内に起こりやすい病気です。
子宮蓄膿症になると以下の症状が見られます。
治療が遅れると命に関わる場合があるため注意が必要です。

子宮蓄膿症の治療は手術による卵巣と子宮の摘出です。
膿の貯留が多いと子宮に穴が開いて腹腔内(おなかの中)に膿が漏れ出しているケーズもあります。
無事、手術が終われば根治可能な病気ですが、合併症として貧血や腎不全が起こる場合があります。

乳腺腫瘍

未避妊の雌犬の約25%に発生すると言われています。
犬では乳腺にできる腫瘍のうち良性が50%、悪性(癌)が50%です。
猫の乳腺腫瘍は90%以上が悪性(癌)です。

犬・猫は乳腺が4~5対あるため、一度手術で腫瘍を切除しても乳腺組織を全て取り切らない限り、再発する可能性があります。

会陰ヘルニア

中高齢の未去勢の雄犬に見られる病気です。
肛門周囲の筋肉の間に間隙(ヘルニア孔)ができ、そこに腸や膀胱が入り込んでしまう病気で、排便や排尿が出来なくなります。

治療はヘルニア孔を縫うかメッシュを入れて閉じる手術を行いますが、縫った筋肉も薄いため再発もしやすい病気です。

当院での避妊・去勢手術の特徴

当院では麻酔事故を起こさず、安全に避妊・去勢手術が行えるよう以下の取り組みを行っております。

留置針による静脈確保

留置針という管を血管に入れ、手術中血圧を維持する為の点滴を流します。

緊急時に必要に応じて速やかに注射薬を血中へ投薬することが出来ます。

気管挿管・人工呼吸器の使用

麻酔導入後、気道に気管チューブを入れ、麻酔器と接続します。

これにより安定した麻酔管理と酸素供給が可能となります。

麻酔により手術中に呼吸が停止しても人工呼吸器があるため、安全に手術を継続することが出来ます。

シーリングシステム

必要に応じて血管をシールできる機器を使用します。これにより糸で結紮するよりも安全に短時間で手術を行う事ができます。

安全な術後管理

術後に低体温や低酸素になる得る場合、動物用ICUで酸素吸入、保温を行います。必要に応じて鎮痛薬の追加投与や、麻酔の副作用で気持ち悪くなってしまう場合は吐き気止めの投与も行います。

手術の流れ

1.手術の予約

お電話もしくは来院時に手術の予約をします。去勢手術(男の子)は原則的に日帰り手術となります。
避妊手術(女の子)は一泊入院し、手術の次の日にお迎えに来ていただきます。

2.術前検査

全身麻酔のリスクを評価するため、手術当日から2週間前までの間に一度ご来院頂き、身体検査と血液検査、レントゲン検査を行います。
検査結果をご説明し、手術当日の注意事項をお伝えします。

3.手術当日

午前10時頃ご来院頂き、当日の体調をチェックし、問題が無ければ動物をお預かりします。飼い主様には同意書をよくお読みいただきサインを頂いた後、一旦お帰り頂きます。12:00~15:00の間で手術を行います。
手術が終わり麻酔から覚めたら飼い主様へご報告のお電話をします。
去勢手術(男の子)では15時以降の退院、避妊手術(女の子)では次の日の退院となります。

4.傷のチェック、抜糸

手術から2~3日後に傷のチェックのため一度ご来院頂きます。男の子では7〜10日後、女の子では10〜14日後に抜糸となります。猫の去勢手術(男の子)では抜糸は必要ありません。